さて、今回はリニューアルの後編、サイトとパーパス編です。
ロゴ同様、サイトも様々な思考プロセスがあっての”あのデザイン”なのですが、表層的な部分だけでは汲み取れないものもあると思いますので、この記事で補足的に説明できればと思います。
それでは、早速行ってみましょう!
(前編のロゴ編はこちら)
その①:冒頭のブランドスローガン
まずはこちら、会社の玄関たるファーストビュー。
ここのデザインやブランドスローガンを策定するにあたり、何よりもまず「誰に向けたメッセージにするか?」を定める必要がありました。
「これは社会に向けたものなのか?」
「それともクライアントか?」
「仲間たちか?」「株主か?」
などなど。
トレードオフの関係にある中で、どのステークホルダーを優先するかは会社の価値観が滲む部分ですが、x gardenでは「今と未来のメンバー」に向けたメッセージにしようと決めていました。
それはx gardenが「一緒にいて楽しい仲間と 楽しく働く」ことを何よりも重要視しているからです。
人生において仕事の時間は、大部分を占めています。
そんな人生の大半を「一緒にいるのが嫌な人と つまらない仕事をする」ことほど不幸なことはありません。
繰り返しになりますが、好きなメンバーと楽しく働くことがx gardenにとって重要な事なので、今回は自然と仲間へ向けたブランドスローガンになりました。
「自分たちは何者なのか?」
さて、メッセージの相手が決まったところで、「じゃあ私たちは、一体どういう集団なのか?」という点を発信する必要がありました。
x gardenは大変個性的な会社なので見せ方には多くの選択肢がありましたが…、最終的に浮き彫りになった会社のコアは
「内から湧き出る衝動と共に 創作し続けるクリエイター集団」
という定義でした。
これはダンサーとしてのルーツを持つ松谷や滉平を始め、息を吸うように何かを創るエンジニアが主役なx gardenの“ありのままの強さ”です。
企業文化の体現者たる新卒第一号のFalくんも、まさにこの言葉を体現してますね。
このようにして
「好きな仲間たちと 創作意欲の赴くままに おもしろい未来を創っていく」
そんなスタンスに共鳴した人は 一緒に働きませんか?というメッセージを冒頭のメッセージに込めさせていただきました。
※創造的衝動(Creative Impluse)はアメリカの哲学者ジョン・デューイ の著書「経験と自然」の中で述べられていた概念。内から生まれる衝動と共に、何かを創ることを尊ぶx gardenにぴったりの言葉です。
その②:らしさ全開のMemberページ。
お次はメンバープロフィールページです!これは本当に好きなパート。
x gardenを創業してから一貫して大事にしているのは「メンバー同士の相互理解」と「創造と表現が生まれる余白作り」です。
その人らしさを表現するために、ある程度の運用負荷がかかることを承知の上で、写真を2パターン撮影したり、座右の銘を手書きで入れたり、取材形式でメンバーへの理解が深まるUIを採用しました。
手書き文字を掲載するとか、写真を2枚撮るとか、一見するとムダに見える遊び心の積み重ねが、長期的に”x gardenらしさ”を生み出す源泉になると信じて、どれだけ人数が増えても、この方針は続けていきたいと思っています。
権威主義へのアンチテーゼ - ロゴとの一貫性
あと気付いた人もいるかもしれませんが、メンバーの並び順は毎回ランダム表示される仕様になっています。
昔から私は権威主義が嫌いで、社内政治が蔓延る会社にだけは絶対にしたくないと思っていました。
x gardenのロゴは「生態性」「創発性」「無秩序性」といったテーマを内在してますが、これと相反するのが権威主義・官僚主義です。
ロゴとサイトデザインに一貫性を持たせるのであれば、肩書き順や入社順に並べるのは違和感があります。
x gardenでは「権威主義ってアホらしいよね」「社内政治ってクソだよね」という価値観が自然に備わってる企業なので、そんな雰囲気を社内外へ伝えるため、今回ランダム表示を採用しました。
その③ : 今回策定したPurpose 👉 「XR for Empathy.」
最後に補足するのが、パーパスについて。
今回、このタイミングでパーパスを策定したのは
「なぜ我々は存在するのか?」
「x gardenの存在意義は何か?」
という実存的な問いに答えるためです。
もはや全てが正解であり、全てが不正解であるこの難問。
多様なアングルや切り口があるゆえに、
「x gardenが考える、XRの価値は何か?」
「XRで叶えられる、人類の幸福とは何か?」
「どのような社会を理想とするのか?」
といった問答を脳内で繰り広げたのですが…幾星霜を経て最終的に辿り着いた回答が
「XR for Empathy」でした。
クライアントワークの中で見出したXRの価値
人によってXRに見出す価値は多種多様だと思いますが、私の場合、ARやVRという技術は「社会の共感総量を増幅させるテクノロジー」だと捉えるようになりました。
その理由は、最近弊社のサービスを体験してくれた人たちが、驚きと共に「これはすごい!」と目を輝かせ、感動を分かち合うのを目の当たりにしてきたからです。
「AR内見」も「前撮り3D」も「X STORE」も従来の体験を、より五感へ訴えるものへとアップデートするサービスであり、そこで生まれるユーザーの共体験は、きっと豊かな共感を紡ぐはず。
最近、心からそう信じられるようになりました。
ところで、ワンピースで海賊王の右腕レイリーはこんな事をルフィに言っていました。
パーパスについて悩む中、この言葉の重みをこれほど感じたことはありませんでした。
当初、「このパーパスは客観的に見て、良いのか?悪いのか?」と自問自答してたのですが、
他者から見た時の良い悪いは問題ではなく、本当に重要なのは「自分が、それを本気で信じられるか?」という事だったのです。
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これまでの創業2年の事業運営の中で「XRには、共感を増幅する力がある」と信じられるようになりました。
だからBusiness / Technology / Designを統合し、持続的なXRを発明する事で、社会の共感総量を最大化していきたい。
それが社会にとって価値のあることだと思えるから。
これが「XR for Empathy」の背景にある、x gardenの存在意義になります。(なぜ共感に価値があるか?という死生観の話はCEOメッセージに続きます)
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今回急にパーパスを策定したため、人によっては「ん?どういう意味なのこれ?」と、なりそうだったのでこの場を借りて補足させていただきました。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
これにてロゴと合わせたリニューアルのインサイドストーリーは終了です。
創業してから2年強。
沢山の苦楽がありましたが、心強いメンバーたちのお陰でx gardenは足腰の強い、しなやかな組織に成長しました。
会社のフェーズとしての序章が終わり、これから色んな挑戦機会が生まれたり、それに伴って多様なメンバーがジョインしてくれると思いますが、x gardenの歴史やコンテキストがこの記事から少しでも伝われば幸いです。
これらかも楽しさドリブンで、旅を楽しんでいきましょう〜!
おしまい。
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(リニューアル前編のロゴ編はこちら)