どうも!松谷です。
ペライチで「どうせ誰も見ないだろう」と思って、サッとサイトとロゴを作った創業時から早2年。
取引先や閲覧数も増え、来年には新卒のファルファル先生の入社も決まったため「流石にこのままじゃヤバイな」ということで今回ロゴとサイトを完全リニューアルしました。
今日の記事では今回のリニューアルの舞台裏、いわゆるインサイドストーリーの前編として”ロゴリニューアル”を紹介していきたいと思います。
このリニューアルの過程を公開することで、x gardenが大切にしている価値観や哲学が今のメンバーにはもちろん、未来の仲間たちにも伝われば幸いです。
後編)コーポレートサイトリニューアル編はこちら
それではさっそく行ってみましょう★
プロジェクトの大方針
まず今回のプロジェクトの大方針として「AR/VRのようなテクノロジーっぽさ」ではなく「組織の哲学」を表現すると決めてました。
みなさまご覧の通り、x gardenのロゴもサイトもテクノロジー感はあまりありません。
それは「おもしろい未来を、創っていく」というビジョンへのアプローチは現在の事業領域に限定しない…、つまり事業体を表現すると短命なロゴで終わってしまう可能性があったからです。
一方で、x gardenらしさや働き方、「何を善とするか?」という価値観の根っこは大きく変わりません。
「目指す社会像へのアプローチが変わっても、組織としてのあり方は不変」という前提があったため、ロゴは事業ではなく組織の哲学を表現しようと決めていたのです。
制作前 インタビュー
今回のリニューアルにあたり、まず最初に2〜3時間にわたる松谷へのインタビューが開発依頼先のSONICJAMさんから行われました。
これは会社の考え方・価値観を先方にインストールするための通過儀礼です。
その時のインタビューの一部をここにも掲載しておきます。
## 1,XRの事業分野に興味をもったきっかけ・創業理由。なぜXR領域で起業したのでしょうか?
(下記松谷の回答)
・今回の2度目の起業では既存産業ではなく、数年後に出現する新興産業で勝負したかったというのが前提にありました。
・参入にあたり様々な産業を検討しましたが、XR=10年に1度の”人類とデジタルのインタフェースが変わる地殻変動”だと感じ、この変化の大波に賭けてみようと、とりあえず飛び込んだ感じです。
・新しい産業と言えば他にも「ブロックチェーン」「AI」「ドローン」などもありましたが、ARやVRの”ものづくり感”が、自分のルーツでもあるストリートダンス(創作と自己表現の世界)と性質的に最も近かったため、最終的にはロジックではなく、直感的に決めました。
## 2,どのような未来を目指しているのかなど教えてください。近い将来でも、10年20年後の「夢」のようなものでも。
僕たちはクリエイター集団なので、内なる創作意欲のままにXRベースの事業やコンテンツをプロデュースし、おもしろい未来を作っていきたいと思っています。
①、世の中に存在しない オリジナリティのある事業を創作する
②、関わるメンバーが楽しくイキイキと働いている
この2つは創業時から何よりも大切にしていることで初志貫徹すると決めています。
## 3,数々の事例や挑戦の中で x gardenらしい動きができたと思うものを教えてください。
XR-Hub Fesという恵比寿ガーデンプレイスのラウンジを貸し切ったXR業界の「大人の文化祭」を過去にプロデュースしました。
全く経済合理性がない取組でしたが、自分は「非合理な意志決定にこそ会社の信念が宿る」と考えていて、自己表現を善とするx gardenのコーポレートアイデンティを体現するいい取り組みだったと思っています。
今回は残念ながら、コロナで延期になってしまいましたが、いつかリベンジしたいです。
また「自由創作の場」として、大学生向けの国内唯一のARコミュニティ「Spatial Computing Lab」を法人として運営している点も凄くx gardenっぽいなと思います。
S.C.Lに所属する素晴らしい才能を持った学生たちの成果物を見るのは、やはり最高の体験ですね。
インタビューで言語化されたx gardenを語るワード
こうして、2時間にわたるインタビューの内容が「ギュッ」と凝縮、言語化されたコーポレートアイデンティティがこちらです。
SONICJAMさんの素晴らしいヒアリング力もあり、法人格としての「らしさ」が抽出されました。
この言葉たち、メンバー1人ひとりの顔を思い浮かべながら眺めても(程度の差こそあれ)納得感があります。
そして次のステップは、これらの言葉をロゴに落とし込んでいく作業です。
一筋縄でいかない ロゴ制作編
ここまでは順調に見えたプロジェクトですが、一切の妥協が許されないのがロゴ制作。
ここから先のステップは(当たり前ですが)かなり難航し、創っては壊しを繰り返す日々が続きました。
残念ながら今回日の目を浴びることのなかったロゴの一部も、試行錯誤の痕跡としてせっかくなので紹介します。
<アウトプット第一弾>
第一弾のアウトプットはどれも非常に斬新な発想・表現ではあったものの、「これや!」っと直感的に訴えるものがなく、残念ながらお蔵入りに。
ものづくりは心血を注ぐ所作であり、僅かにでも心に迷いがある状態で進めるわけにもいきません。
大枠方針へのフィードバックと具体的なイメージ画像をSONICJAMさんに共有し、更なるアウトプットを続けます。
アウトプット一部をご紹介
その後も続々と制作していただいたアウトプットの一部をご紹介します。
(イテレーションを短縮化するため、ラフ画のみで高速プロトタイプする方式に切り替えました)
こちらは、その後の成果物一部です。
試行を重ねる度に近づきつつあるものの、「これだ!」言えるものにはなかなか出会えません。
予算と納期がある中でしたが、ロゴは会社の顔なので一切妥協許されない…ということで、さらにアイデアを広げてみることに。
しかし何回目かの打ち合わせの場で
「創発性のあるカタチ」
「フラットで分散的な組織構造」
「各々でしっかり個性がありつつ、全体として1つのカタチを為してる…みたいなイメージ」
とお伝えしたところ、第三弾でついに異彩を放つロゴが登場しました!
それがこちらです。
「!」
これを会社メンバーに共有したところ、かなり好評な反応が!
他のロゴと比較しても圧倒的に人気で、「大枠の方針はこれで行こう!」と満場一致で決まりました。
ロゴが決まらないとサイトのデザインも全く進まないため、大枠の方針が決まりホッと一安心です。
(ちなみにここまで、プロジェクトのスタートから凡そ2ヶ月くらいかけました)
しかしまだまだ油断は禁物。最後の詰め作業であるカラーリング・細かいカタチの微調整が残っています。
よりx gardenっぽさを具現化するためのカラーバリエーション・輪郭の調整を施し、試行錯誤の後に完成したのがこちらです。
(次世代組織モデルのティールへ、グリーンから昇華していく意思を込めてTeal Greenをメイン採用)
こうして、ついにロゴが完成。
プロジェクトアートボードにて初期、記載した言葉が具現化されたロゴがありました。
・カチッとした会社っぽさではなく、生態的で
・全体としての美しさはありつつ、クール過ぎず
・フラットで分散的な無秩序さ
これらの要素を兼ね備えたロゴが出来上がり、今ではとても気に入ってます。
また、最後の仕上げのカラーリングではx gardenのコアバリューとメンバーの資質に紐づく花言葉を持つ花がモチーフになっています。
- 黄色のフリージア = 「One for all」
- オレンジのガーベラ = 「Challenge first」
- ピンクのチューリップ = 「Give&Give」
- ブルーベリー = メンバーの共通項である「知的好奇心」
社名の由来としてのCI
x gardenという社名の由来は
⑴:多様な個性やアイデアを掛け合わせ(x=Cross)
⑵:新事業や人の才能を次々と開花させる場となり(garden)
⑶:結果として、自社自体も変容し続ける(x = Transform)
つまりx(個を掛け合わせ) → garden(発芽→開花し) → x(場も変容する)という意味が込められています。
こうして数々の試行錯誤の末に
・社名の由来
・会社の価値観 / 組織哲学
が統合、具現化されたロゴが爆誕したのでした。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
ロゴ制作のプロセス自体が、企業哲学や価値観を伝達するいい手段になると思い、今回筆を取ってみました。
本プロジェクトを通じて、創業当初から変わらぬ想いをCIとして具現化できて本当によかったです。
次はコーポレートページのインサイドストーリーへ続きます。