どうも!松谷です。
ついにはじました2021年、今年度もたくさんの挑戦と変化を推進してたいと思います!🔥
そんな年始の挨拶からの、急な本題かつ手前味噌な話で話で恐縮ですが、私は人並みレベルには読書家でして(※人並外れているわけではない)月に2~3冊程度の本を読むのをかれこれ6~7年続けているのですが、単純計算で200冊弱はこれまで読んだことになろうかと思います。
そしてこの度、これまでの読書人生の中で特に面白いなと感じ、経営哲学・思想の影響を受けた本をオフィスに置いてみました。
それがこちらです!
※松谷は本読むときにめちゃくちゃ本に書き込む癖があるので全て新書です!
ただまぁ本が置いてあるだけじゃ興味も持てないと思うので、今回の記事では軽い書評っぽい感じで置いた本を紹介していきたいと思います。
貸し出し可なので、ぜひ年末年始の暇つぶしにどうぞ。
※法務・ファイナンス・人事労務・マーケティング周りの本は実務レイヤーの話なので今回のレコメンド対象外です。
<事業>ストーリーとしての経営戦略
事業戦略論を語る上で外せない名著。
優れた戦略は必ず時間軸を内在しており、ストーリーとしての物語性を持つ…というテーマの本です。
スタバやガリバーなどオールドエコノミーの戦略を主に扱っていますが、本質的にはニューエコノミーでも同じ考え方ができ、転用が効く内容になってます。
これを読んだのは大学3年生の時ですが、この本の内容を読んでたお陰で、じげんの社内事業コンテストで社長賞を受賞し、社内事業化→入社と、松谷の人生に深く影響を与えてくれた本です。
この本と出会ってなかったら、ファーストキャリアが変わっていたという意味で、今の松谷はいなかったかもしれません。
<組織>エンジニアリング組織論への招待
ソフトウェアに携わる人であればMust Readな一冊。
トム・デマルコは「ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである」という言葉を残してますが、本書ではソフトウェア開発を社会学の観点から紐解いています。
過去、松谷も様々なソフトウェアを開発のディレクションをし、失敗も膨大に重ねてきました、、
それらは確かに技術的な問題というより「限定合理性」や「情報の非対称性」などの環境要因によって生まれたものだったなと感じます。
他にも
- ソフトウェア開発における不確実性が生まれる技術的な原因
- 不確実性をハンドリングするベロシティ管理
- マイクロサービス化に対するROIの考え方
なども懇切丁寧に解説されており、これまで読んできた本の中でもトップクラスに学びの多い本でした。
<組織> How google works - 私たちの働き方とマネジメント
この本を読んだのは2014年で今でもこの本を読んだときの衝撃と興奮を覚えてます。
いまだに何度も読み返してしまう一冊です。
Googleの創業当初、戦略などは一切存在せず本書で紹介されている学習意欲の溢れるスマートクリエイティブの才能が活きる環境を作ること…これだけが唯一の経営戦略でした。
本書ではどのような環境であればこのスマートクリエイティブが才能や創造性を発揮できるのか?と言った点が細かく描かれています。
さらっと書かれている一文ですが、
「スマート・クリエイティブにとって、”No(ダメ)”と言われることはちょっとした死に等しい」
このワンフレーズとかめちゃくちゃ分かるなと…w(なので、可逆的な意思決定であれば、基本的にNoは絶対言わないようにしてます)
基本的にGoogleは性善説と自由・実験的なカルチャーが強いのですが、x gardenの文化形成においても多少なり影響を受けてると思います。
<教養>サピエンス全史 - 文明の構造と人類の幸福
人類の歴史を20万年前から現代まで解説した感動巨編。
先ほどのエンジニアリング組織論もそうですが、組織運営をする上では社会学の見識、ミクロで言えば”人”と”心”の理解が必要になわけですが、
人と心を理解する場合、歴史から学ぶより生物学の観点からアプローチした方が正確に理解することが出来ます。
なぜなら今の人間の本質・行動原理は数十万年に渡る進化圧の産物だからです。
この本を読み終えた後には
「人間とは何か」
「文明とは何か」
「資本主義とは何か」
「幸せとは何か」
このような答えなき、実存的な問いに対する洞察が何倍も深くなっていると思います。
<教養>反脆弱性
世界の普遍真理の1つである「反脆弱性(Anti-fragile)」を突き詰めた一冊。
皆さんは「脆い」の反対語はどういう意味だと考えますか?
普通は「丈夫」とか「堅い」とか連想しますよね?
しかし本書は「脆弱」の反義語を正確に定義するなら「硬い」「堅牢」ではなく「ダメージを受けて強くなる」が適切なはずという主張から始まります。
もっと言うと、「ダメージにより壊れること」が脆弱性の意味ならば、壊れる…というマイナス効果をプラス効果に転じられる性質が反義語のはずなのに、世界中の辞書にはそのような表現が存在せず人類の言語的認識の中に、この概念がすっぽり抜け落ちている、と言う訳です。
この反脆弱性は、企業経営や生態系など有機体の相互連結性・相互影響性を持つネットワーク構造の中では普遍的に見られる性質にも関わらず、人類の言語として定義されていないのです。
そのため本書はこれでもかと反脆弱性の事例とその効用を「人体のデトックス効果」「予防接種のメカニズム」「スウェーデン政府の政策」「生物進化論」「シリコンバレーのスタートアップエコシステム」など様々なフラクタル構造を横断しながら、解説してくれます。
この本を読むと、目の前の失敗や組織的損傷を長期的な目線に立ってポジティブに捉えられるようになるので、精神的にもいい処方箋になります。笑
本書で扱う複雑系・ネットワーク構造を理解する上では一緒に置いてある「ネットワーク思考」もセットで読むと面白いので、気になる人がいたらぜひ。
<人間理解> なぜ部下とうまくいかないのか。
タイトルの三流感満載なのが残念で仕方ないほど、中身が一流なギャップがすごい本です。
成人発達理論の大家、ロバート・キーガンは「人間の意識が成長・発達するほど、客観視できる能力が高まり、その結果認識できる世界が広がる。」
と提唱しており、本書では知性の成長フェーズを5段階で解説してくれています。
いい書評があったので載せておこう。
特にこの本で面白いなと思った一節が、
「第4段階の知性は自分の意見の証明にこだわるため否定されると、感情的になるが、第5段階まで知性まで進化すると自分の意見も客観視し、真実の探究を最重視するため、質問からコミュケーションが出発する」という文。
自戒を込めて、これはめちゃくちゃあるなとw
複雑系におけるオプション選択・意思決定においては”正しそうな確率論”が存在するだけなのに「絶対これが正しい」って断定型コミュニケーションする人って自分がバカだと露呈するようなものですよね。
ロバート・キーガンの発達心理学は、マネージャークラスなら圧倒的に必読で、特に「能力の成長」と「なぜ人と組織は変われないのか?」はすんごい面白いのでぜひ読んでおいて欲しいところです。
<クリエイティブ>デザインの輪郭
プロダクトデザインの巨匠、深澤直人さんの衝撃作。
一時期、誰かれ構わずおすすめしまくっていたクリエイティブに関連する最高の一冊です。
XRは3次元的な情報を扱うため、3次元を生きるプロダクトデザイナーの考え方は非常に参考になり、行為に溶け込ませるアクティブメモリー(身体知)・アフォーダンスの概念はもちろん「ハリ」に対する考え方や「客観写生」といったキーワードなど、もはや思考哲学の域。
「優れたデザインという絶対的な物は存在せず、全てはコンテキストによって決まる」
「外圧と内圧の調和こそが至高のデザイン」
など金言が散りばめられており、デザインに対する見え方・考え方を変えてくれる一冊でした。
当時セットで読んでいた「デザインの生態学」も結構面白かったので、置いておきます。
また「Non-designers Book」「誰のためのデザイン?」も圧倒的に一般教養なので、本棚に置いておきました。
【まとめ】分業ではなく越境。異なる分野を統合する。
さて、いかがでしたでしょうか。
全部紹介しきれてないのですが、全部紹介すると長大なボリュームになりそうなので、前半はこれにて終了です。
一応いろんな領域から満遍なく紹介してみました。
最近x gardenの強さとして認識し始めている点として、メンバーの大部分が「テクノロジー」「デザイン」「ビジネス」全てにおいて興味を持ち、それぞれの領域を統合したアウトプットが出来る…という点です。
ハリボテのデモで終わらない、社会に実装される持続的なXRを創造するためには「テクノロジー」「デザイン」「ビジネス」を単体ではなく、高度に統合していくことが重要だと感じるのですが、当然のようにメンバーが1人1人が専門領域を越境していくカルチャーはx gardenの強さとして磨き続けたいなと思います。
後編に続く…