どうも!30歳を目前に控えた松谷です。
気づいたら前回の記事から1年経ってしまってました。。
1年越しの記事投稿ですが今日は「x gardenの企業文化」についての記事を書いてみたいと思います。
この記事によって、x gardenが大切にしている価値観が少しでも伝わればと思います。
それでは早速いってみましょう。
企業文化(コアバリュー)とは何か?なぜ重要なのか?
さて、今日は弊社のコアバリューについての話です。
コアバリューとは企業文化の中でも、特に企業が重要視する"組織習慣"のことです。
そしてこの”組織習慣”は更に下記2点に分解されると私は解釈しています。
それは
- 意思決定の拠り所となる(迷ったときの判断基準・合理的に説明できない判断の後押し)
- 標準化された特定行動(息を吸うように学習する、知の共有化を欠かさない、発表の後に拍手をするetc.)
この2つです。
ピーター・ドラッカーは「文化は戦略に勝る」という言葉を残していますが、それは僕もめちゃ同意するところです。何故なら
1、意思決定の価値基準が浸透すると権限委譲がしやすくなり、組織内の意思決定のスピードが早くなる。(「大企業病=シンプルに意思決定の遅さ」と定義できると考えてます)
2、組織習慣が事業やマーケット特性と噛み合うと売上が伸びやすくなる。
というロジカルな理由があるからです。
1,の重要性はインターネットセクターの複雑性が加速度的に高まっていることにより、「天才が導く経営モデル」が破綻し「現場レベルでの爆速検証」に勝利条件がシフトしていることに起因しています。
また2,の企業文化が事業と噛み合ったことで、長期的に成功した企業と言えば「ザッポス」や「スタバ」などがその代表例でしょう。
企業文化は、競合から見た時に模倣に長い時間を要するため、定量化できないbut戦略資産性が高い4大仮想B/Sの1つなのです。
※4大仮想B/S(造語)=データ、ブランド、ネットワーク、企業文化
x gardenの3つのコアバリュー
そして弊社には3つのコアバリューが存在します。
それは
- One For ALL:全てはチームで勝つために。
- Challenge First:素早く失敗し、学び、変化を起こす。
- Give&Love:与えられる人になろう。
(4つ目を策定するオフサイトMTGも近々セッティング予定)
現状はこの3つです。
これらは不変的なものでなく、常に変化・アップデートし続けるものなので、これからも定期的に見直されていく予定です。
とはいえ、この3つにもそれなりの背景があり言葉として定めていますので、今日はコアバリュー1つ1つに込めた背景を解説していきましょう。
One For All :全てはチームで勝つために
One For Allの精神性は以前の記事で「アリが生物学上の勝者である」という話で紹介した通り、複雑な世界を生き残るための数少ない法則の1つだと個人的に思っているものです。
チーム志向は、カオスな状況を乗り切る唯一の手段
ベンチャーとは常に成長を目指すものであり、あらゆるチャレンジを仕掛けていくため社内は「定常的に無秩序」な状態であることが普通です。
逆に言うと、オペレーションが綺麗に回っている会社というのは、変化や成長が生まれておらず、当該マーケットにおいて後退していることを意味します。
x gardenはもちろん新しい産業で新しい事業を仕掛けていく企業ですので、今も未来もオペレーションやらプロセスやらが常にカオスな訳です。
そういった状況を乗り超える唯一の手段が「責任範囲という境界を持たず、チームのために貢献する」という1人1人のしなやかなマインドセットです。
優れた組織は生態的
ティール組織ではこの事を「個々に決まった役職が存在せず、組織は有機的かつ流動的であり、きめ細かな役割が絶えず変化している生態系である。」と記述していましたが、まさにイメージは生態系です。x garden is 生態系。
チームの状況に合わせて個々が流動的に業務を変えることが出来る、しなやかな組織は環境の変化が早い現代においてめちゃくちゃ強いと思っています。
売上は組織コンディションの遅行指標
また、僕の好きな言葉に「売上は組織コンディションの遅行指標である」というものがあります。
これは組織が健全に運営されているならば、売上は後からついてくるという考え方です。
特に受託開発のようなパートナービジネスで考えると明らかですが、1社あたりのLTVはクライアントへの価値提供の質で決まります。
個人プレイなコンサルティングならまだしも、チームプレイが前提となるAR開発のような事業モデルの場合、組織が持つ習慣的な貢献性(こぼれ球を拾い合うメンタリティ)は殊更重要な指標と言えるでしょう。
経営をしていると、売上や利益など分かりやすい指標を追いたくなってしまいますが、それらは組織の遅行指標であり、組織が健全に運営されているか?という点もしっかりモニタリングしていく必要があるのです。
Challenge First:素早く失敗し、学び、変化を起こす。
次に紹介する2つ目のコアバリューはChallenge Firstです。
「貪欲に挑戦して、失敗を財産にするような文化を作りたい」と思ってこの言葉にしました。
この事も以前の記事で書きましたが、複雑な世界では個体レベル・集団レベルで「変化」し続けることが生き残るための唯一の手段であり、挑戦に価値があるのは、本質的には「変化」が生まれるからです。
挑戦しない会社は、短期的な安定を手にする代わりに、長期的に硬直化し、変化への適応が遅れがちです。(テレビ業界などが最たる例)
逆に、常に挑戦し続ける会社は、例え失敗を通じて財務的(もしくは組織的に)ダメージを受けたとしても、日々の組織・事業変動性が高いため、環境の変化には相対的に適用しやすくなります。
挑戦による失敗=前進
ベンチャーとは、大いなる仮説を検証し続ける宝探しゲームのような側面もあり、失敗=宝の地図でハズれたの地域を塗りつぶす(=次の成功確度が高くなる)行為と似ています。
かなり強引ですが、極論すると経営とは
「1、(失敗や成功を通じて)情報の供給量を増やす事」
「2、得た情報を正しく処理して、変化・修正する事」
この2つをいかに、高速で回すかという点にかかっていると言え、
挑戦による失敗は、情報を生み出し、変化を起こすための通過儀礼なのです。
Give&Love:与えられる人になろう。
さてそれでは、最後のバリューです。
ここは若干スピリチュアルな感じもあるのでサラっと書くだけに留めますが、創業当時から絶対に変わらないのは「応援される会社を創りたい」という想いです。
こういったらあれなんですけど、僕自身は「他社に勝つ」とかそういった勝敗のコンテキストにそこまで頓着がない人間です。
「上場!」とか「時価総額xxx億円!」みたいな誰かが作った尺度・ルールの中で戦うのではなく「好きなメンバーと楽しいと思えることをやって行きたい」とか「応援されるような組織を作りたい」という独自の価値基準で会社を創業してます。
(もちろん時には競合を意識してしまう時もありますが、その度に自己認知して【イヤイヤ、そうじゃないよね】とセルフコーチングしてます)
なので、会社のコーポレートブランディングも相対的に「強い」とか「賢い」とかそういう感じではなく「良いやつら」とか「誠実」とか「一緒になんか遊びたい」みたいな、なんかそんな風に思ってもらえる組織でありたいと常々思っています。
そして愛される組織・応援される組織というのは相手を愛することから始まります。
自分たちの利益だけでなく「業界みんなでハッピーになろう!」というスタンスで相手に接することがx gardenの創業時の想いを体現する手段なのです。
Giveの精神は結果的に、運や成功を呼び込む
そしてGiveの精神性を持つことが長期的に見ると、思いも寄らない運や成功を呼び込むという話は意外と知られていない事実でもあります。(「与える人」こそ成功する時代より)
創業初期を振り返ってみても各方面にGiveし続けた結果、思いも寄らない話を頂けたり、長期的にハッピーな関係性を築くことに繋がったりしています。
そもそもXRは自社単体として価値が出せる範囲は限定的であり、不動産ホルダーやデータホルダーとのパートナシップがあって初めて価値が出せる領域も多い技術です。
このような背景から、自社の強みを「他社とのスピーディなアライアンス・共創構築力」と置いた場合、相手の得を最初に考える(49:51の法則で、ある程度交渉で負けても全然OKー!)という”抜け感のある文化”は意外に重要なのではないかと考えてます。
「Giveの精神は見返りを求めないことにその本質があり、それ自体が尊いもの」だと思いますが結果論として会社の成長に結びつくことがある…というのも補足的に書いておきましょう。
Give&Loveについてはもっと話したいことが色々あるのですが、止まらなくなりそうなのでこの辺で…。
コアバリューはアップデートし続ける
さて、今日はx gardenのコアバリューについて書き連ねてみました。
この3つはあくまで発展途上のものであり、冒頭に書いたように今後アップデートしていく予定ですし、ぜひメンバーの考えも聞いてみたいところです。
仏教が説くように「無常」こそが世の常であるため、成功体験に縛られず、コアメンバーと話し合いながら企業文化により一層の磨きをかけていけたらと思います。
今日はこれでおしまいー。